その1(LaTeXとは/LaTeXインストール)はこちら
その2(LaTeXの書き方について)はこちら
その3(LaTeXに関する小ネタ集)はこちら
LaTeXを使う事になりました
チーム内で資料を作成するため、LaTeXを使う運びとなりました。
「Markdown形式じゃダメ?」と思いましたが、資料のテンプレートがタイトルや発表担当者名以外は2カラムで書かれており…。
これをMarkdownでやるには何となく骨が折れそう(と言うか出来んの?状態)だったので、大人しくLaTeXにする事に。
LaTeXは名前だけ聞いていた状態でしたが、知人がレポートに使用している姿を見て、便利そうだなとは思ってたので…。
これを機に使ってみようと思います。
LaTeXとは何ぞや
LaTeXを扱う前に…そもそもLaTeXって何なのだろうと思ったので、調べてみました。
※今回は下記の参考記事を基に、LaTeXについて調べてみました
TeX と LaTeX の違い | ラング・ラグー
LaTeX - Wikipedia
TeX - Wikipedia
LaTeX入門 - TeX Wiki
LaTeX説明前に
LaTeX(ラテフ)について説明するには、TeX(テフ)についてまず説明せねばなりません。
(と言うのもLaTeXはTeXの中に属してあるからです)
TeXとは
TeXは1978年にドナルド・クヌースという数学者が発表した組版システムです。
※組版とは: 文字や図版などの要素を配置し、印刷用の紙面を構成すること
マークアップ言語のスタイルを取っており、定められた記法に法って書いたファイルをTeXが提供する処理系(コンパイラみたいな)に渡す事で、装置に依存しないDVI形式のファイルを生成する事ができます。
DVIファイルには紙面のどの位置にどの文字を配置するかといった情報が書き込まれており、実際に紙に印刷したりディスプレイに表示させる際には、DVIファイルを解釈する別のソフトウェアが用いられます。
なお、このTeXにはマクロ機能もあり、複数の処理をまとめて行なう命令文を新しく作る事が可能です。
中にはTeXユーザーの有志の方が独自のマクロをパッケージ化し、配布しているケースもあります。
例としては下記のようなものが挙げられます。
- plain TeX: TeX作者自身が開発したもので,ごく基本的な文書作成機能を提供する
- MusiXTEX: 楽譜の組版を作成できる
- Publishing TEX(pTeX): 日本語用の機能(縦書き機能など)を追加
そしてLaTeXも、このマクロパッケージの一種に属しています。
LaTeXとは
「TeXを使ってもっと簡単に論文やレポートを作成したい!」という要望によって作られたTeXのマクロパッケージです。
レスリー・ランポート氏によって作られました。
なお、LaTeXを日本語対応化したpLaTeXと言うものもあります。
そこから更に内部をUnicode化したupLaTeXもあります。
使い方
さて、このLaTeXですが…。
使用するためにはまず環境を整えてあげないといけません。
環境構築
と言うことで、まずはLaTeXを扱える環境を整えましょう。
なお、今回はこちらのqiita記事を参考にしながら環境構築をしました。
※ぶっちゃけここの章は下記の記事に少し知識を付け加えた程度です。
インストール手順だけを見る場合は下記記事を参照することをお勧めします。
qiita.com
大まかには下記の手順を踏みます。
- MacTexのインストール
- Texmakerのインストール
- Texmakerの設定
MacTexのインストール
まず、TeX Liveという、TeXやLaTeXを最低限使える様にする色々をまとめたもの(TeXディストリビューションというものだそうです)
…に、MacOS専用のGUI(どんなGUIがあるかはこちら参照)とGhostScriptが入ったMacTeXをインストール。
→MacTeX(pkgファイル形式)DLページ
※3GBくらいあるので覚悟して臨みましょう。
DL後、MacTeX.pkgを開きGUIに沿ってインストール。
特に理由がなければデフォルト設定でやってしまいましょう。
なお、MacTeXはHomebrewでもインストール出来るそうです。
※Homebrewに関してはこちら
$ brew cask install mactex $ sudo tlmgr update --self --all $ sudo tlmgr paper a4
Texmakerのインストール
次に統合環境のように使えるLaTeXエディタ、Texmakerをインストール。
Homebrewでインストール出来るとの事なので、下記コマンドで。
brew cask install texmaker
初期では日本語対応していないため、有志の方が作成して下さっている「日本語キットfor texmaker4.0.1」を用いて日本語対応化をする必要があります。
こちらの記事より「日本語キットfor texmaker4.0.1」をDL。
DLしてファイル解凍後、Finder>アプリケーション
よりtexmaker.app
を右クリック。
「パッケージの内容を表示」項目よりtexmaker.app
が入っているフォルダへ。
そこからContents>Resources
へ、先ほどDLして解凍したtexmaker_jp.qm
を格納。
後はTexmakerを起動して、options>Interface Language
からja
を選択し、再起動すると日本語対応になります。
Texmakerの設定
TeXMaker上で実際に実行されるコマンドの中身を設定します。
Texmakerを開き、オプション>Texmakerの設定>コマンド
へと飛びましょう。
主に設定するのは、先ほどDLしたMacTeX内にある各Texのコマンドへのパスです。
※下記の内容は、MacTexが「MacTex2017」であり、かつデフォルト設定でインストールされてる場合です。
(上記の状態では/Library/TeX/texbin/に全てのBinファイルが入ってるので下記の様なパスになっている)
他のVerやデフォルト設定でない場所にインストールされてる場合は、パスを該当のパスに変更しましょう。
パスが分からなくなった場合は、各設定部分の右端にフォルダアイコンがあり、クリックするとGUIでパスを変更する事も出来ます。どうしようもない時に利用しましょう。
- LaTeX:
"/Library/TeX/texbin/platex" -synctex=1 -interaction=nonstopmode %.tex
- pdfLaTeX:
"/Library/TeX/texbin/pdflatex" -synctex=1 -interaction=nonstopmode %.tex
- dvipdfm:
"/Library/TeX/texbin/dvipdfmx" %.dvi
ついでに「簡単コンパイル」の設定もしちゃいましょう。
Texmakerでは「簡単コンパイル」という機能があり、ボタン1つ(ショートカットキー1つ)でコンパイルしてプレビューを見ることが可能なのです。
オプション>Texmakerの設定>簡単コンパイル
で、実行したいコマンドにチェックを入れます。
色々ありますが、参考記事では「LaTeX+dvipdfm+PDFファイルの表示」にチェックが入ってたので私もそれに。
ぶっちゃけプレビューするファイル形式を変更するだけなら、設定画面で弄らなくてもコマンドバーから設定できるのですが…。
より詳細に設定したいって人向けの欄なのでしょうな。
ちなみにTexmakerの設定
からは、エディタのフォントサイズやフォントの種類、Tab幅なんかもいじれます。
カラーテーマもカラーコード入力でダイレクトに編集可能な様です。自由度が高い…!
完了
ここまでくれば、ひとまずは完了です。
動作テストとして、TeXファイルのサンプルファイルを作成するなりDLするなりして、コンパイルしてみましょう。
にしてもこのTexmaker、文書構造なんかもツリー表示してくれるんですね…すっごくありがたいです。
次回記事について
LaTeX記法についてとかは…ちょっと別記事にまとめたいと思います。
これまでこの記事に書くと、記事量が膨大になりそうなのでね…。
ではでは|д゚)
余談-オンラインのLaTeX執筆環境があるらしい
LaTeXについて調べていくと、オンライン上でLaTeXを扱える環境があるとのこと。
とりあえず自分が見かけたものが3つあったので、そのリンクだけ貼っておきます。